次なる「3年前の稀有なるご縁」も葬儀の場です。
こちらをご覧の、近い未来のハッピーウェディングに胸躍らせている方々に対して誠に恐縮ですが、慶弔両方のセレモニーに携わっていますと、本当にその表裏一体である事実に突き当たり身を正さずにはいられません。
今回もまさしくそんな方の葬儀。
故人は40代の女性、乳がんに斃れました。
12年間を共にした恋人がいて、枕元には婚姻届けも用意されていたそうです。
その情報はMCコザックへ、巡り巡ってその場にはいないブライダル司会の仲間からもたらされました。
まだ残暑厳しい9月の2日間の出来事です。
通夜、そして葬儀・告別式と続く2日間のセレモニー。
葬儀社の、普段はご自身も司会をされるフレンドリーな女性社員さん曰く、
「今回の司会は是非MCコザックにと思って」とのこと。
理由が分かりません。
何故!?自分でやればいいじゃん!
未だ自らのスキルに自信が持てないでいるコザックにとって、これはかなり荷が重い業務が予想されました。
故人は40代の女性、乳がんを患い、無念の思いを残して亡くなられました。
お若いだけに同世代を中心にきっと多くの弔問客が駆けつけ、式場がてんやわんやになること必定だからです。
葬儀司会というもの、ただ喋っているだけではいけないんですね。
葬儀社の一員として実に様々な役割を求められます。
短時間の内に準備を整え弔問・会葬者の案内をし導師と打ち合わせをし…
司会進行はその後です。
この辺の動きが、お祝い事の司会業務とは根本的に異なるんですね。
正直、お通夜の記憶は定かではありません。
きっと、何かバタバタのうちに閉式していたのでしょう。
ただ一つ。
故人の弟さんから託された故人のiPhoneを操作しながらの司会進行だったことが鮮烈な思い出に残っています。
病魔に斃れた、まだ亡くなるには早過ぎる女性。
残されたiPhone…
その待ち受け画像は、椰子の木が涼しげな南の海の風景でした。
<2017年記事 再録>
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