やっと本題です。
以下の文中、失礼があったらゴメンなさい!
絶滅危惧種… まず筆頭は媒酌人でしょうか、いわゆる仲人さん。
媒酌人を立てていた場合、メインテーブルには4人が座ります。
当たり前の光景でしたが、これを今どきの新郎新婦さんは「マジか…」とおっしゃるでしょうね。
向かって左から媒酌人ご主人、新郎、新婦、媒酌人令夫人と座ります。
そして今日日(キョウビ)概ね司会者が担当している「新郎新婦のプロフィール紹介」、これは媒酌人の最大にして殆ど唯一の仕事だったのです。
そのお鉢が司会者に回ってきましたので、当時としては司会者の担当業務の増大「ハンパねぇ~!!」というカンジでしたねー。
もっともコザックは、このプロフィール紹介でパーティーの和やかな流れを作り出すことをモットーとしていますので、むしろ現状を肯定的に捉えています。

続いて思い浮かぶのが「迎賓」という進行でしょうか。
打合せ時お二人に「“ゲーヒン”ってお分かりですか?」と伺うのですが、まず「はい」とおっしゃるカップルはいらっしゃいません。
それはそうです。
親戚や友人の結婚披露宴に出席をしてそれをご覧になっていなければ、“ゲーヒン”という語感的にもピンと来ないのは当然です。
迎賓とは、ゲストが披露宴会場に初めて入る際、新郎新婦と概ねご両家の親御様、立てていれば媒酌人ご夫妻が入口で待ち受け立礼をする___その進行のことを意味します。
お開き後のお見送り(送賓)の「お迎えバージョン」とお考えいただければ正解です。
私が司会業に携わるようになった90年代初頭までは、これがスタンダードな披露宴のスタートだったんです。
何故行わなくなったのでしょう?
理由はいくつかあると思うんです。
そもそもが形式的な進行だったことがあります。
教会式を中心に、その列席者であれば披露宴の直前に新郎新婦に会い(というか挙式に立ち会い)、直接祝福している筈です。
それをまた披露宴のスタートに当たり仰々しく居並び挨拶する必要があるか?___となった時に、「不要」と判断されてきたのだと思います。
また、只でさえ当日忙しい二人がそのタイミングでスタンバイするのは、前もって親族紹介・前もって写真撮影・前もってメイク直しを進める必要がある会場にとってより時間がタイトになってしまう為、それをあえて勧めない___そんな事情もあろうかと思います。
もう一つ、先に挙げた媒酌人を立てないようになったこととも恐らく無縁ではなく、新郎新婦・両家の親、それに一般ゲストとは趣の異なる「媒酌人夫妻」という主催者側の一員が一斉に立礼の態勢を取ることによって、結婚披露宴としての格を上げ、重厚感を増そうとする意図があったんでしょうね。
まさしくこの現代はそれを「不要」と判断し、かくして「迎賓」という進行は絶滅危惧種に指定され、レッドデータブックに記載されるに至った訳です。

<2017年8月記事 再録>